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3月上〜下旬|季節を楽しむ時候の挨拶

時候の挨拶3月

3月に投函する招待状は?

3月は春の真ん中。初春・仲春・晩春のうち「仲春」にあたります。
虫や木々、野山や草花が活気に溢れて動き出す季節です。
上旬は日ごとに春らしさを身近に感じ、下旬は春の気配が濃くなっていくというニュアンスがポイントです。

大切な方を思い、言葉を選び季節を楽しみながら綴ったご挨拶状は、きっと気持ちが伝わります。

フォーマルなご挨拶

親が主催者の場合や、伝統・格式を重んじる場合に使用するご挨拶を紹介します。

3月上旬

啓蟄(けいちつ)の候
冬ごもりをしていた虫が土の中からはい出てくる頃。使用できるのは啓蟄(3月6日頃)から春分前日(3月20日頃)まで。
萌芽(ほうが)の候
草木の芽が萌え出ること。また、新しい物事が起こる兆しという意味もあります。

3月中旬

桃花(とうか)の候
桃の花が咲く頃。桃の節句(3月3日)は実際の開花には少し早く、七十二候の暦では、3月10日から14日頃を「桃始笑(ももはじめてさく)」としています。
桜花(おうか)の候
桜の花が美しく咲き栄えていること。花のご挨拶はほんの少し早めが粋ですので、3月中旬から下旬頃に使用するのがよいでしょう。満開となるのは4月上旬頃ですが、気候によりあっという間に散ってしまうこともあるため、投函時期に注意しましょう。

3月下旬

麗日(れいじつ)の候
麗らかな春の日のこと。「うららか」とは、春の陽光が輝き万象ことごとくやわらかに美しく見えわたるさまをいいます。
春暖(しゅんだん)の候
暑くもなく冷え冷えともしない、春の快い暖かさのこと。

3月を通して使用できる

春陽(しゅんよう)の候
春の日差しを感じる頃。似ている語で「陽春(ようしゅん)」がありますが、こちらは「陽気に満ちた春」という意で、もう少し暖かくなる4月に適した語となります。
春風(しゅんぷう)の候
春の暖かくのどかな風のこと。春は時に疾風も吹きますが、「春風」という場合はおだやかなもののことをいいます。
春景(しゅんけい)の候
春の景色、春光、春色のこと。春の自然の美しい眺めをたたえた言葉です。
春光(しゅんこう)の候
春景と同じく、春の景色、春の風光のこと。陽光の輝かしさの意をこめた言葉です。

やわらかい印象のご挨拶

新郎新婦が主催者の場合や、堅い印象をやわらげ親しみを込めたい場合におすすめのご挨拶を紹介します。

3月上旬

弥生の空美しく晴れ渡り
「弥生(やよい)」は3月の別名。いよいよ(弥)生い茂る(生)という意味があります。草木芽吹く月、風景が一層美しく見えます。
明るい日差しに春の気配を感じる今日この頃
3月上旬は少しずつ春を身近に感じる頃。「日ごとに春らしい陽気となってまいりました」等、言い回しを変えてみてもよいでしょう。

3月中旬

花便りの聞かれる季節となりました
桜の花が咲いた様子を知らせる便りのこと。染井吉野の桜前線は3月下旬頃から徐々に北上していき、その知らせは私たちの心を弾ませます。3月下旬頃まで使用できます。

3月下旬

春色にわかに色づき
「はるいろ」とは桜色や若草色等、春を連想させる色のこと。「しゅんしょく」というと、春の景色やその気配のことをいいます。おだやかな風の中にも春の気配を色濃く感じさせてくれる表現です。
麗らかな春の気配に花時を迎え
「花時(はなどき)」とは桜の花が咲く頃のこと。花といえば古くは梅のことでしたが、平安時代以降、桜のことをいうようになりました。また、桜を指しながら春の花一般をも内包する、豊かで華やかな表現です。
花笑みの季節を迎え
「花笑み(はなえみ)」とは花が咲くこと、つぼみがほころぶこと。春を歓ぶ気持ちが溢れ出るような、情感豊かな表現です。

3月を通して使用できる

やわらかな春風に心誘われる季節となりました
暖かな陽気に誘われて、心が外へ向かう季節。浮き立つ気持ちが伝わります。
  • お住まいの地域により気候に大きく差があります。目で見、肌で感じる季節の感動をご自身の言葉で取り入れてください。
  • 各月の上旬・中旬・下旬はおおよその目安です。気候に合わせてご検討ください。

3月の暦と空模様

3月6日頃「啓蟄(けいちつ)」

大地が暖まり、冬ごもりをしていた虫が土の中からはい出てくる頃です。蛙や蜥蜴や蛇も活動し始め、桃の花が咲き、蝶が飛び始めます。

3月21日頃「春分(しゅんぶん)」

昼夜の長さが等しくなり、この日を境にだんだんと昼が長くなっていきます。3月18日頃から24日頃までを「春彼岸」といい、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り、暖かくなる時期の目安となります。下旬には桜が咲き始め、いよいよ春本番となります。